コラム
2024年08月01日

リノベーションが注目される背景とは?リフォームとの違いについても解説

リノベーションが注目される背景とは?リフォームとの違いについても解説

近年、自分の家族構成やライフスタイルに合わせた住まい作りのために、リノベーションを選択する方が増えています。また、家探しの段階から、リノベーション前提で中古物件を探すようなケースも増えてきました。これらのトレンドは、リノベーションとリフォームを明確に分けたうえで、リノベーションが選択されていることの表れでもあります。この記事では、リノベーションが注目される背景について紹介すると共に、リフォームとの違いについて簡潔に解説します。

リノベーションが注目される背景について

リノベーションが注目されるのには、いくつかの背景があります。ここでは、代表的な3つの背景について紹介します。

新築物件ではなく中古物件+リノベーションという選択肢の普及

公益財団法人不動産流通推進センターの不動産市況データによると、2024年2月の首都圏の新築マンションの戸当たり平均価格は7,122万円となっています。一方で、中古マンションの戸当たり平均価格は、同じ首都圏で4,859万円です。

このように、新築マンションと中古マンションでは、2,000万円以上もの価格差があることが、統計データからも分かります。中古物件を購入して、仮に1,000万円ほどのリノベーション費用をかけたとしても、トータルコストが新築物件よりも安く済むことから、リノベーション前提で中古物件を購入するという選択肢が注目を集めているのです。新築物件より安い費用で、自分達の理想の住まいに新築同様の状態で住めるのは、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

新築至上主義から住宅の長寿命化への転換

日本の住宅の平均利用期間は30年との調査結果があり、アメリカの約55年、イギリスの約77年と比較してかなり短くなっています。これは、戦後の日本の人口増加と右肩上がりの社会経済情勢の中で、新築至上主義が根付いていた結果でもあります。

しかし近年は、日本も社会が成熟して人口減少の局面を迎え、世界的なSDGsの気運の高まりもあり、利用価値のある住宅を長く使っていくという考え方が広がりを見せてきました。住宅を長持ちさせるためには、計画的な点検・補修・交換が必要となりますが、長期的には住居費負担が軽減され、資産になると共に環境への負荷が低減するという考え方です。こうした背景も、リノベーションが注目されている一つの要因と言えるでしょう。

不動産投資としての中古物件の有利性

近年、副業として不動産投資を始める方も増えてきました。中でも中古マンションは、新築マンションと比べて物件価格が安く、価格の下落率も緩やかであることから、不動産投資としても人気を集めています。一般的に、新築マンションは築15年で、約50%の資産価値が下がると言われていますが、その後は築20~25年くらいを境に横ばいになる傾向です。つまり、新築マンションより中古マンションの方が、資産価値の目減りが少ないと言えるのです。

さらに、リノベーションをすることで、資産価値が高まり、その状態から大きく価値がダウンすることなく資産を維持することに繋がります。また、不動産投資の最大のリスクは空室状態が長く続くことですので、リノベーションは有力な空室対策の一つです。リノベーションにより物件の価値を高められれば、より有利な条件で、賃貸や売りに出すことができます。

リノベーションとリフォームの違いとは?

リノベーションとリフォームは、一見同じものと思いがちなように、業界全体としても統一した基準や線引きがあるわけではありません。以前は、住宅の増改築全般が基本的にリフォームと呼ばれていましたが、近年メディアなどで話題となり、リノベーションという言葉が定着してきました。ここでは、言葉の定義や、適切な工事の種類と規模および費用などの観点から、リノベーションとリフォームの違いを簡潔に解説します。

定義による違い

一般社団法人リノベーション協議会では、リノベーションとは、中古住宅を機能や価値の再生のために改修して、現代のライフスタイルに合った快適な住まいによみがえらせることとしています。そして、リノベーションとリフォームの違いを以下のように定義しています。

リノベーション ・機能や価値の再生のための改修
・その家での快適な暮らしを実現するための包括的な改修
リフォーム ・原状回復のための修繕営繕
・不具合箇所への部分的な対処

適切な工事の種類と規模および費用による違い

工事の種類や規模によって、リノベーションとリフォームのどちらが適切なのかという観点から、違いを見ることもできます。部屋のレイアウトは変えずに、水回りの設備の入れ替えや壁紙の張替えなどの工事を行う場合は、リフォームの方が適していると言えるでしょう。一方、間取りを大きく変えるような大規模な工事の場合は、リノベーションの方が適しています。そのため、かかる費用も、工事内容によってかなり幅はありますが、おのずとリノベーションの方がリフォームよりも大きな費用がかかる傾向です。

たとえば、壁紙の張替えの相場は6~30万円、マンションのシステムバスの交換は50~100万円と言われていますが、間取りの変更を伴うリビングの改修の相場は200~400万円と言われています。また、工事期間もリノベーションの方が長くかかる傾向です。

まとめ

今回は、リノベーションが注目される背景や、リフォームとの違いについて解説しました。今後も、マイホーム探しにリノベーション前提の中古物件の選択や、不動産投資でのリノベーションの活用など、リノベーション住宅がますます普及していくことでしょう。また、リノベーションとリフォームでは、かかる費用や工事期間が大きく変わりますので、ご自身の希望や目的を考慮して適切に選択をするようにしましょう。

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