コラム
2025年12月03日

基礎一体打ち工法のデメリットとは?他工法との違いや注意点を解説

建物の耐久性や耐震性を左右する基礎工事は、家づくりの根幹をなす重要な工程です。
中でも、鉄筋とコンクリートを一体で流し込む基礎一体打ち工法は、その強固さから多くの注目を集めています。
しかし、どのような技術にも長所と短所があり、その特性を正確に理解することが、理想の住まいを実現する上で不可欠です。
ここでは、基礎一体打ち工法の持つ潜在的な課題や、他の工法との比較を通じて、家づくりにおける工法選択のヒントを深掘りしていきます。

 

基礎一体打ち工法のデメリット

施工の難易度が高く専門知識が必要

基礎一体打ち工法は、鉄筋の配筋からコンクリートの打設までを一度に行うため、コンクリートの品質を均一に保つには高度な専門知識と熟練した技術が不可欠となります。
配筋の正確さ、型枠の確実な設置、コンクリートの適切な打設・締め固め、そして養生期間中の温度・湿度管理といった細部に至るまで、各工程でわずかなミスも許されない状況下で作業が進められるため、現場の職人の経験値や技術力が建物の耐久性に直接的な影響を及ぼす可能性が高いと言えます。

コストや工期が増加しやすい

一度のコンクリート打設で基礎全体を完成させるためには、複雑な形状の型枠を精密に組む必要があり、そのための人件費や資材費が他の工法と比較して高くなる傾向があります。
また、コンクリートの打設作業は天候に左右されやすく、急な天候の変化で作業が中断されると、その後の養生期間にも影響が出て工期が遅延するリスクが伴います。
これらの要因が重なることで、建築費用全体の上昇や、当初の予定よりも長い工期を要することが少なくありません。

狭小地や変形地では施工が難しい

基礎一体打ち工法では、型枠を設置し、その内部で作業を行うための十分なスペースが必要です。
そのため、敷地面積が狭い場合や、土地の形状が著しく複雑な変形地においては、作業スペースの確保が困難になることが多く、施工計画に大きな制約が生じます。
特に、型枠の搬入・設置、コンクリートの運搬・打設といった工程には一定の広さが必要となるため、これらの条件下では、施工自体が困難である、あるいは追加のコストが発生するといった問題が生じやすくなります。

 

基礎一体打ち工法は他の工法の違い

他工法と比べ施工の融通が利きにくい

基礎一体打ち工法が、コンクリートを一度に打設することで基礎全体を一体化させるのに対し、布基礎や、コンクリートを分けて打設するベタ基礎の一部工法などでは、基礎の各部分を個別に構築したり、後から部材を接合したりする柔軟性があります。
この違いにより、一体打ち工法では、一度決定した設計や工程からの変更が難しく、現場の状況に応じた細かな微調整が困難であるのに対し、他の工法では、ある程度の作業手順の変更や、後からの対応が比較的容易に行える場合があります。

コストや工期は場合によっては他工法より不利になる

基礎一体打ち工法は、その精密な施工要件や養生期間の必要性から、一般的にコストと工期が増加する傾向にありますが、これは常に絶対的なものではありません。
しかし、建物の形状がシンプルである場合や、敷地条件が整っており作業スペースが十分に確保できるような状況下では、より工程が少なく、簡素な施工で済む他の工法の方が、資材費や人件費、そして短縮された工期によって、トータルで見たコストや期間を抑えられる可能性は十分に考えられます。

修正や補修が他工法より困難

一度コンクリートが打設され、基礎全体が一体化してしまうと、後から構造的な変更が必要になったり、万が一、施工不良箇所が発見されて修正が必要になったりした場合、その一体化された構造ゆえに、部分的な改修が非常に困難になるという特徴があります。
他の工法のように部材を交換したり、補強材を追加したりするといった比較的容易な対応が望めず、基礎全体に影響するような大規模な工事が必要となるケースが多く、時間的にも費用的にも大きな負担となることが想定されます。

 

まとめ

基礎一体打ち工法は、その強固さゆえに多くのメリットをもたらしますが、施工の難易度、コストや工期の増加、そして敷地条件による制約といったデメリットも無視できません。
他の工法との比較においては、現場の状況への適応性や、後からの修正・補修の容易さといった点で、他の工法に分がある場面も存在することを理解しておくことが重要です。
家づくりは、建物の性能だけでなく、予算、工期、敷地の特性、将来的なメンテナンスまで含めた総合的な判断が求められます。
基礎一体打ち工法の特性を正しく把握し、ご自身の計画と照らし合わせながら、専門家とも十分に相談して、最適な基礎工法を選択することが、安心で満足のいく住まいを実現するための鍵となるでしょう。

 

 

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