最近の家にもシロアリ被害が起きる?新築住宅で増える原因を解説
現代の住宅は、住む人の快適性を高め、エネルギー効率を向上させるための様々な工夫が凝らされています。
しかし、こうした進化の陰で、従来は見過ごされがちだった新たなリスクが潜んでいることも少なくありません。
特に、私たちの住まいを静かに蝕むシロアリの存在は、新築や比較的新しい住宅であっても決して無関係ではないのです。
住宅構造や周辺環境の変化が、シロアリにとってどのような影響を与え、被害を招きやすくなっているのか、そのメカニズムを理解することは、大切な資産を守るための第一歩となるでしょう。
最近の家でもシロアリ被害は起こる
新築住宅でもシロアリ被害は発生する
シロアリは、木材を主食とする社会性昆虫であり、その食害によって住宅の構造材を弱体化させる厄介な存在です。
一般的には古い木造家屋で被害が多いというイメージがありますが、実際には建築されて間もない新築住宅であっても、シロアリ被害に遭うケースは少なくありません。
これは、シロアリが地中から、あるいは近隣の木材から、わずかな隙間や通気口などを利用して住宅内に侵入する能力を持っているためです。
たとえ建築資材が新しいものであっても、木材が構造の一部として使用されている限り、シロアリにとっては格好の餌場となり得ます。
また、住宅の基礎周りや外壁、さらには床下空間といった、普段人の目が行き届きにくい箇所からの侵入経路を見つけ出すことに長けているため、新築だからといって被害から完全に免れると考えるのは早計です。
シロアリが侵入しやすい住宅環境の変化
住宅を取り巻く環境の変化も、シロアリの侵入リスクを高める要因となっています。
都市部における住宅密集化や、景観維持のために敷設されるウッドデッキ、庭木、木材チップを敷き詰めた花壇などは、シロアリにとって格好の餌場となり、そこから住宅へと活動範囲を広げるきっかけとなります。
これらの木材は、雨水や湿気によって常に適度な湿度を保ちやすく、シロアリの繁殖や活動に適した環境を提供してしまうのです。
さらに、近年の住宅では、デザイン性や利便性を考慮して、地面に直接触れる木材部分の防腐・防蟻処理が不十分であったり、木材が露出したままになっている箇所があったりする場合も、シロアリの侵入を容易にし、被害を拡大させるリスクを高めています。
最新の住宅構造がシロアリ被害を招く原因とは?
高気密・高断熱化による湿気蓄積のリスク
現代の住宅建築では、省エネルギー性能の向上や快適な居住空間の実現を目指し、住宅全体の気密性や断熱性を高める工法が主流となっています。
これにより、外部からの熱の出入りを抑え、冷暖房効率を高めることができるようになりました。
しかし、その反面、住宅内部で発生した水蒸気などの湿気が外部へ逃げにくくなり、建材の内部や壁内、床下空間などに湿気が滞留しやすくなるという課題も生じています。
浴室やキッチン、洗濯機置き場など水回りからの湿気、さらには結露によって発生した水分が、十分な換気システムがない場合や換気不足によって排出されずに蓄積されると、木材が腐朽しやすくなり、シロアリが活動しやすい高湿度な環境を作り出してしまいます。
一度湿気がこもると乾燥しにくいため、シロアリにとって非常に快適な住処となり得るのです。
工法の変化による床下点検の困難さ
住宅の工法が進化するにつれて、床下の構造も多様化し、床下空間へのアクセスが以前よりも困難になっているケースが増えています。
例えば、床下空間を極力なくした工法や、配管・配線のスペース確保のために複雑な構造になっている場合、床下全体を隅々まで目視で確認することが難しくなります。
これにより、シロアリが潜んでいる場合でも、定期的な床下点検が十分に行われず、被害に気付くのが遅れるリスクが高まります。
シロアリは、気付かれずに床下の木材を食害し、建物の構造を徐々に弱体化させていくため、早期発見・早期駆除が極めて重要です。
点検が困難な構造では、被害が建物の躯体にまで及んでから初めて異常に気付く、といった深刻な事態にもなりかねません。
建材の変化とシロアリの食害
近年の住宅建築では、多様な建材が使用されています。
木材においても、強度や耐久性を高めた集成材や、防腐・防蟻処理が施された材料が普及していますが、一方で、一部の新建材や、木材由来であっても加工度合いの高い材料は、シロアリにとって栄養価が低い、あるいは食害しにくいとされてきました。
しかし、シロアリ側も環境に適応し、食害対象を広げている可能性も指摘されています。
また、断熱材として広く用いられている発泡プラスチック系の建材なども、シロアリが巣作りの材料として利用したり、断熱材を食い破って内部の木材部分へ到達したりするケースが報告されています。
さらに、壁内や天井裏など、普段目につかない場所で使用されている建材の内部で被害が進むと、発見が遅れてしまうことが多く、深刻な問題につながりかねません。
まとめ
新築や築浅の住宅であっても、シロアリ被害は決して他人事ではありません。
むしろ、高気密・高断熱化といった現代の住宅建築技術が、意図せずシロアリにとって好都合な湿潤環境を作り出したり、床下点検の困難さから早期発見を妨げたりする原因となることがあります。
また、使用される建材の種類や構造上の弱点も、被害リスクに影響を与えます。
シロアリは目に見えないところで静かに進行するため、最新の住宅だからと過信せず、定期的な点検や専門家による対策を継続的に行うことが、大切な住まいを守る上で不可欠と言えるでしょう。


