最近では実家の空き家を活用した賃貸経営、不動産購入を前提とした賃貸経営を目指す方が増えています。既存の物件による経営は可能ですが、効率で考えるならリノベーションがおすすめです。そこで今回は、リノベーションによる賃貸経営の魅力について解説します。

古い物件を賃貸経営する場合のリスク

古い物件でも賃貸経営は可能です。ただし既存の状態で賃貸経営する場合には、ふたつのリスクが生じます。ここではそれぞれのリスクについて解説します。

耐久性に問題がある

築年数が古い物件は耐久性に問題が生じやすいでしょう。1981年以前に建てられた物件は、新耐震基準を満たしていない可能性が高く、耐久性に関するリスクを持っています。強い地震が発生したときや台風などの自然災害が生じた場合、大きな被害を受けるかもしれません。賃貸物件として提供する際にも、耐久性の確認は重要です。

ニーズに合わない可能性がある

古い物件は最新の設備が整っていないことも多く、間取りやデザインも古い場合があります。バランス釜や和式トイレなどが、設置されていることもあるでしょう。古い物件の場合、独立洗面台やシステムキッチンの未設置なども考えられます。ニーズに合っていない物件は需要が低い傾向にあり、賃貸経営へ影響が出やすいでしょう。

リノベーションして賃貸経営する場合の魅力

安定した賃貸経営を目指すなら、リノベーションした物件がおすすめです。ここではリノベーションして賃貸経営する場合の、魅力についてご紹介します。

物件の選択肢を広げられる

リノベーションを前提にした物件選びなら、選択肢を広げられます。一般的に、人気エリアの新築物件は高額になりやすいでしょう。一方で人気エリアでも築年数の古い物件なら、お手頃な価格での購入が可能です。古い物件をリノベーションするなら、新築物件を購入するより安く抑えられるかもしれません。

また人気エリアの新築物件は人気が高く、購入を希望してもすぐに売り切れる可能性があります。一方築年数の古い物件は需要が少ないため、比較的手に入れやすいでしょう。

街のニーズに合わせた物件づくりが可能

街の雰囲気は時代と共に変化します。以前は学生の多い街だったものの、現在ではファミリー層が中心の街に変化するケースもあるでしょう。既存の物件の場合、ニーズに対応できない可能性があります。一方でリノベーションなら、街のニーズに合わせた部屋の雰囲気や間取りの変更が可能です。

たとえば単身向けのアパートのニーズが減少した場合、ファミリー向けに間取りや設備を一新できます。ターゲットを変更できるため、空室リスクを軽減できます。

賃貸経営のコストを抑えられる

リノベーションを活用すると、賃貸経営におけるコストの軽減が可能です。古い物件をリノベーションするなら、新築物件を購入したり新築に建て替えたりするよりも、トータルの費用を抑えられます。初期費用を抑えられるため、スムーズに経営を始められます。

リノベーションして賃貸経営する場合のポイント

リノベーションによる賃貸経営を成功させるには事前の準備が重要です。ここでは賃貸経営で成功を収めるための、3つのポイントについてご紹介します。

ニーズを確かめる

賃貸経営の計画を立てるには、対象エリアの調査が重要です。賃貸需要のない地域では、リノベーションを実施しても入居者が見つからない可能性もあるでしょう。場合によっては経営が成り立たなくなる恐れもあります。

リノベーションによる賃貸経営を始めるときは、地域の特徴・人口の推移、多い年齢層などを前もって確かめておきましょう。また地域によってはアパートの需要よりも、戸建ての需要が多い地域もあります。事前に細かく調査しておくと、適切な家賃設定が可能です。

入居トラブルの対策を施しておく

リノベーションを行う際は、入居トラブルの対策が重要です。入居希望者の属性をしっかりと把握せずに空き家を貸し出してしまうと、騒音トラブルなどが発生する恐れもあります。入居者を決める際は、生活スタイルや家族構成などをチェックが重要です。また物件の防音性を高めるなどの対策を施しておくと、トラブルのリスクを抑えられます。

無理のない資金計画を立てておく

リノベーションによる賃貸経営では、無理のない資金計画が重要です。リノベーション費用でローンを組む場合、家賃収入と返済額のバランスを考慮する必要があります。バランスが崩れた場合、返済も難しくなるかもしれません。

家賃収入に対する理想的な返済比率は、40～50％と考えられています。物件の管理費や空室時の収入減なども考慮しておくと、状況が変化しても対応できるでしょう。

まとめ